☆彡Grossブログ:咬合面をうまくワックスアップしたい話

 

『咬合面をうまくワックスアップ

 したい話』

 

 

皆様はワックスアップに使うインスツルメントで

お気に入りのものはありますでしょうか?

 

僕はオーソドックスに短針がお気に入りで、

ボンドフレームのアップくらいなら短針のみで

ほぼ全てを仕上げてしまいます。

(ナイフ類を使うのは

マージンを締める時だけですね)

 

さてそんなワックスを盛り上げる時ですが、

例えばオクルーザルコンタクトを

ピンポイントで盛りたい時。

 

うっかり裂溝にワックスが流れ込んでしまった…

挙げ句、肝心のオクルーザルコンタクトには

大して盛り足せなかった…

 

そんな経験に心当たりはありませんか?

 

ワックスをピンポイントで盛り上げるためには、

ワックス自体の溶融温度が大切です。

 

ただもう一つ重要なポイントとして、

インスツルメントの加熱位置が関係することも

忘れてはなりません。

 

結論から言って、

短針の先端をいくら温めたところで、

ワックスをピンポイントに

うまく盛り上げることは難しいです。

 

ワックスは

温度の高い方から低い方へ流れていきますので、

先端ばかり温めても

根元にワックスが溜まっていくばかりです。

 

気付いたらインスツルメントのネック部付近に

ワックスが塊になってこびりついていた、

そんな経験はありませんでしょうか?

 

加熱位置が悪いばかりに

短針からうまく落ちてくれないワックス。

 

そこで溶融温度が足りないと誤認して加熱すると、

オーバーヒートして適正なフローを超えます。

 

そしてピンポイントに
うまく盛れなくなってしまうのです。

 

およそインスツルメント先端を温める時は

 

築盛体表面を溶かして慣らす時

ワックス容器からワックスを拾う時

 

この二つに絞られます。

 

尚、ワックスを拾う時も、

根元を温めることで綺麗に拾うことは可能です。

ただし、スプーンなどで大量に掬いたい時は、

雑に加熱してワックスを早急に溶かした方が

時短になります。

 

こうした場合以外は、

基本的に加熱位置には留意すべきでしょう。

特に咬合面隆線を盛る時、

隆線同士を合体させないように盛るためには、

温度と加熱位置がとても重要になります。

 

ワックスを拾いたい時には先端を温める。

ワックスを落としたい時には根元を温める。

 

覚えておいて損はないでしょう。

 

    

                                         ライター 髙瀬 直