☆彡Grossブログ:プレスセラミックスにおけるグレーズペーストについての雑記

 

「プレスセラミックスにおける

  グレーズペーストについての雑記」

 

プレスセラミックスに使用する

グレーズペーストですが、

普段、小社Grossで扱っているものは

大きく分けて3種類あります。

 

これら3種は用途に応じて使い分けておりますが、

ざっくりとした利点欠点および

使用感を自分なりにまとめてみました。

 

 

ivoclar IPS e.maxセラムグレーズFLUO:

非常に塗りやすく、

薄く伸びるため操作性は抜群です。

噛み込みが深く、皮膜を厚くするとバイトが高く

なりがちな1級インレー等で重宝します。

 

注射器型の容器を採用していますので、

ペーストが乾燥し難いです。

 

再練和がほとんど不要な他、

リフレッシュリキッドなども

あまり出番がありません。

また蛍光性を有しているため、

口腔内で自然感を発揮してくれます。

 

ただ層を厚く塗って焼成すると白濁しやすく、

色調を損なうことがあります。

 

また焼成温度を上げすぎた場合、

層が薄くても同様に白濁しやすい所感があります。

 

 

松風 ヴィンテージアート LF GP:

比較的塗りやすく、

薄く伸びるため操作性が良いです。

 

焼成温度は750℃となっていますが、

実際はもう少し高めの方が艶を出しやすい

と思います。

 

酸に対する抵抗が強く、

溶解量が他社製品の1/2~1/3程度に低減されて

いるのが特徴です。

 

かなり薄くしても口腔内でのステイン剥がれや

面の粗造化が起きていないため、

数値以上にパワフルな印象があります。

加えて、曲げ強度にも優れています。

 

反面、IPSセラムグレーズ同様、層を厚くして

しまうと白濁してしまう場合があります。

 

また容器が傷つきやすいため、

金属製のスパチュラなどで練和を繰り返すと

容器内面が荒れ、

ペースト内にゴミが介入することがあります。

プラスチック製のスパチュラを使用すると

良いでしょう。

 

リキッドは揮発していきますので、

反復仕様及び時間経過によって

操作性が悪くなることがあります。

 

 

GCイニシャルIQ

       ラスターペーストL-N:

分厚く塗っても白濁せず、

安定した透明感を発揮できるペーストです。

容器がガラスで出来ている為、

練和によって容器内が傷つくことはありません。

 

時間経過によって操作性は落ちていきますが、

リフレッシュリキッドが優秀なので

問題になり難いです。

 

反面、塗るというより盛る陶材に近いので、

上記2種と比較すると操作性が悪いと感じる

場合があります。

特性上、均一に薄く延ばすのが苦手で、

噛みこみの深いインレーなどに使用すると

後の調整量が多くなることがあります。

 

したがって、

扱いには慣れが必要かもしれません。

 

 

以上です。

如何でしたでしょうか。

上記はあくまで筆者の主観によるものですので、

ここ違うぞ!こうすればうまくいくよ!という

ご意見がありましたら

コメント頂けますと嬉しいです。

 

      ライター 髙瀬 直