「臼歯の咬合面はスパゲッティな話」
皆様、パスタはお好きですか?
基本のスパゲッティーニから
ちょい太リングイーネ、
もちもちフェットチーネなど、
触感に差があって、どれもおいしいですよね!
作り方も簡単で、
基本は麺を茹でるだけでOK!
ソースはブイヨン等を使って具材を炒めたり、
または既製ソースを使ってしまえば、
あとはパスタを混ぜるだけでとても美味しい
「簡単パスタ」を作ることができます。
最近はコンビニでも
既製ソースを多数販売していますので、
色々な味を手軽に楽しむことができる
ようになりました。
良い時代になったものですね。
ところが、パスタを本格的に作ろう
とすると話は変わります。
まずは具材の下ごしらえから始まり、
パスタの茹で方や具材の火入れ加減、
ソースの乳化タイミングといった
複雑で繊細な作業が求められます。
更に化学調味料に頼らないとなると、
素材のうまみや出汁に対する深い理解、
そして取り扱い練度が必要になってきます。
こうして出来上がる
「こだわりパスタ」は、
上記の「簡単パスタ」と比較して、
より繊細で深い味わい
や触感が得られます。
ところが、人によって好みはそれぞれです。
例えばジャンクフードに慣れ親しんだ人は、
既製ソースや化学調味料を使った
「簡単パスタ」の方が
美味しいと感じる場合もあるでしょう。
加えてグルタミン酸ナトリウムなどに代表される
化学調味料は、体に悪いものではない
(思っています)ので、
美味しいものを食べて健康に生きるだけが
目的ならば、「こだわりパスタ」のような
複雑な料理工程は一切必要ありません。
ともすれば、
「こだわりパスタ」を作るための技術
や研鑽は無意味なのでしょうか?
答えは否です。
当然の如く、
既製ソースや化学調味料満載の「簡単パスタ」を
マズイと感じる人も居るからです。
そして「簡単パスタ」しか作れない人には
「こだわりパスタ」を作ることはできません。
しかし「こだわりパスタ」を作れる人は、
ジャンクな味を求められた際には
容易に「簡単パスタ」を作ることが出来ます。
つまり、「出来るけどやらない」と
「出来ない」には、
努力係数と言う名の大きな壁があるのです。
とりわけ、臼歯は咬合や清掃性こそが重要で、
天然歯らしさやリアルな審美性は不要
という意見もあります。
ですが、
臼歯に天然歯らしさを求める患者様もいる
のです。
最初は判断基準がなくとも、
天然歯らしいクラウンと簡単な作りのクラウン
を比べて見た時、
より天然歯らしいクラウンの方を選択する
患者様は比較的多く存在します。
※天然歯の審美性は機能あってのものであり、
機能的で無いものは、
そもそも天然歯らしく見えない!
といった意見もあります。
もちろん、
「簡単パスタ」もとても美味しい料理なのです。
ただ、
顧客(患者)からの要望があった時のために、
「こだわりパスタ」を作れる技を蓄えておくのがプロ……
なんじゃないかなーと思ったりもします。
そうなれば日々研鑽、
「臼歯に天然歯らしさは不要!」
などと言ってはいられなくなるのです。
made by 髙瀬 直
(Add 1 spice:by Ztm.K.Ohata)