☆彡Grossブログ:チッピングやクラックを防止する軸ブレ補正の話

 

『チッピングやクラックを防止する

 軸ブレ補正の話』

 

なんだかあっという間に2018年が終わり、

東京オリンピックまでリーチをかけた

2019年となりました。

 

11月から更新をサボっておりました当ブログ、

更新再開でございます。

 

そんな新年初投稿ですが、

今回は切削ポイントの軸ブレについてのお話です。

 

例えば新品のカーボランダム等を使用する場合、

微妙に使いにくく感じることはないでしょうか。

 

研磨面に押し当てても、

なんだか「跳ねる」様な感触があると思います。

 

手の感触としては、

振動が強く伝わってきているはずです。

 

そう、軸が微妙にブレているのです。

 

量産されるカーボランダムやシリコンは、

製造時に正確な軸取りをしていないからです。

 

では、軸がブレていると

どの様な問題があるのでしょうか?

 

極端な例を除き、

通常、軸のブレたポイントによる研削は

切削力において大きな支障はありません。

 

むしろビトリファイドダイヤなどは、

わずかに軸がブレている方が

高威力な時すらあります。

 

では何が問題なのでしょう。

 

軸ブレポイントの困った点は、

回転時に研磨面を殴りつけるような

挙動をとることにあります。

 

すると、衝撃に弱いセラミックス相手の場合は

マイクロクラックやチップの原因になります。

 

特にマージンや前歯切縁といった、

鋭縁の調整においてこれは顕著です。

 

また、平滑な面を形成しにくい事も問題です。

 

なるべく滑らかで綺麗な面を形成したい。

あるいは咬合調整時のチッピングを防止したい。

 

そんな時は、ポイントを

ダイヤモンドドレッサーなどで一層慣らすことで

軸ブレを補正することが可能です。

 

もちろん、

研ぐことができないダイヤモンドポイントや

カーバイドバーなどは不可能ですが、

これらは軸棒を若干切り落とし、

短くするだけでも軸ブレ改善につながります。

 

特にヘッドの大きなポイントは軸がブレやすく、

高速で回すと

「タケコプター」

になる場合があり、大変危険です。

 

ビッグポイントなどの軸を慣らす場合、

いきなり高回転で研ごうとすると

軸棒が折れたり曲がったりしますので、

最初は低速で回し、

徐々に速度を上げつつ軸補正すると良いです。

 

 

ここで注意が必要なのですが……

 

実はハンドピースのチャックを開閉することで、

折角慣らした軸がわずかにブレてしまうのです。

 

つまり、非常に面倒臭い上に

ポイントの損耗も加速するのですが…

 

カーボランダムポイントなどは、

付け替える度にダイヤモンドドレッサーで

軽く慣らしておいた方が良いのです。

 

チッピングやマイクロクラックを防止する為に、

覚えておいて損はないでしょう。

 

アスリートはブレない信念が故に

一流足らしめます。

 

意思が弱く、一流には程遠い私ですが、

せめてポイントの軸くらいはブレない様に

研ぎ澄ましていきたいと思います。

 

  

              ライター 髙瀬 直