☆彡Grossブログ:咬合器マウントは普通石膏が一番!?

 

「咬合器マウントは

        普通石膏が一番!?」

 

・・・そう思っていた時期が私にもありました。

 

保険のクラウンを数こなしていると、

どうしても看過しがちなポイントでしょう。

 

しかし咬合器のマウントには、

いくつか方法がありますよね。

 

フェイスボウトランスファーしたり、

平面板を利用して平均値にマウントしてみたり。

咬合器の種類はもちろん。

使用する石膏も様々でしょう。

 

この石膏が曲者で、

少しばかりの注意点を守れば

ちゃんと機能してくれるのですが、

その少しばかりを怠るだけで、

全く異なる結果を生み出してしまったりします。

 

 

そこで今回、

咬合器マウントに使用する石膏の扱いについて、

いくつか気になった要点をまとめてみました。

 

 

①上下いっぺんにマウントしない

咬合器の種類を問わず、

マウントの際は基本的に

上下別々にマウントしなければいけません。

 

上下どちらか一方をマウントした後、

石膏の完全硬化を待ってから残りをマウントする

のが理想的です。

 

これにより、石膏の寸法変化を上下どちらかのみ

に絞る事ができます。

 

 

②石膏はマウント用石膏を使用する

咬合器マウントの際には、

通常の模型製作用の石膏ではなく、

必ずマウント専用の石膏を使用してください。

 

私はエリートアーチを愛用しています。

時折、コスト削減の為に普通石膏で

咬合器マウントしているのを見かけますが・・・

 

それはバターと称しながら

マーガリンを使うようなものです。

 

どちらが良いとか悪いとかいう以前に、

普通石膏とマウント用石膏は

「見た目が似ているだけで

   用途の異なる別物」

と捉えるべきでしょう。

 

 

③使う石膏の量を極力減らす

マウント用石膏は高い寸法精度を誇りますが、

量が多大になれば変形量も大きくなってきます。

 

基本的に

マウント可能な最低限の量に留めるべきです。

 

咬合器とのクリアランスが大きい場合は

模型に台付けをしたり、

マウンティングプレートの方に台付けをして

カサ増しして下さい。

 

高価なマウント用石膏

(およそ超硬石膏と同価格…)

の使用量を低減することにより、

コストカットにも繋がります。

 

 

④硬化途中に水を加えない

注意が必要なのが、

マウント石膏の面慣らしについてです。

 

よくマウント石膏の面を綺麗に仕上げるために、

硬化途中に水をつけて擦ることもあります。

 

先にマウントする上下のどちらかなら

まだマシですが、

後からマウントする方で

これをやるのは絶対にやめてください。

 

硬化途中の石膏に水を加えると大きな寸法変化を

招きますので、

これだけでマウント不良を誘発します。

 

もし石膏面を綺麗にしたい場合、

水を使わずに慣らすか、

完全硬化後に耐水ペーパーにて研磨して下さい。

 

 

⑤混水比を守る

これも基本です。

寸法精度を高める為、埋没材だけでなく

マウント用石膏も混水比を守りましょう。

 

ちゃんと計量した方が

結果的に使用量も少なくて済みます。

 

先にラバーボウルに石膏を入れておいて、

蛇口から直接水を注ぐような練り方は

避けた方が良いでしょう。

 

以上、マウントにまつわる石膏のお話でした。

 

     ライター 髙瀬 直