☆彡Grossブログ:ゼロから始めるステイン講座 Ⅳ | 有限会社 デンタル・ラボア・グロース

☆彡Grossブログ:ゼロから始めるステイン講座 Ⅳ

 

『ゼロから始めるステイン講座 Ⅳ』

 透明だけど透明感がない?

モノリシックセラミックスについての考察 ②

 

 

「透明感」には一定のルールがある

 

前回のガラスの地球儀の写真ですが、

実際に透明な物体ではなくとも、

透明感に溢れる表現が可能であることは

ご理解頂けたと思います。

 

では地球儀の写真から、

日本列島あたりを切り抜くとどうなるでしょう?

・・・・・・どうでしょうか。

 

日本海や太平洋、透明感溢れてみえますか?

当然、見えませんよね。

 

ただ切り抜いて左に移動させただけなのに、

何故透明感が無くなってしまったのでしょうか?

 

今度はこちらの画像をご覧ください。

 

 

やはり波打ち際は透明感溢れ、

瑞々しく見えていることかと思います。

 

それでは、この画像をスタンプツールで加工し、

水面の泡や小波をつぶしていくことで

下地の色のみにしてみましょう。

 

 

だいぶ雑な加工ですが、どうでしょう。

一気に透明感が無くなって見えませんか?

 

単純にボケてしまったことが原因でしょうか。

 

なるほど、どうやらぼかしただけでは

透明感は失われないようです。

 

透明感を表現するために、

一定したルールの必要性が垣間見えます。

 

 

「透明感」の表現には対比効果、

額縁効果、表面性状の付与などが必要


ステイン講座Ⅱでも触れましたが、

外部ステイン法のキモは、

①本来半透明で透明感に乏しいものを

②補色による対比効果や光の吸収特性等を利用し

③局所的に透明に見せかけることにより

   透明感を表現する

ことにあります。

 

先ほどの地球儀の写真を分析してみましょう。

 

概ねこんなところでしょうか。

順を追って解説していきます。

 

●周囲と比較して明度の低い箇所

高透過性とは、光が反射しにくい状態を指します。

光が反射せず突き抜けるわけですから、

当然明度は低い状態になります。

 

逆に言えば、

暗く見える所は透明に見えやすいのです。

 

●ハレーション、表面性状、表面付着物


透明な物体は、

表面に浮遊物やハレーションがあることで

初めて透明であると視認できます。

 

光を一切反射しない、本当に透明なものは

そもそも視認することができません。

 

こちらの画像をご覧ください。

窓ガラスに張り付いたバッタです。

※虫が苦手な方のためにモザイクをかけました。

この写真ですが、もしバッタが居なければ、

窓ガラスの存在を認識できないと思います。

 

続いてこちらの画像も同様です。


池に浮く蓮ですが、もしこの蓮がなければ、

ただの暗く真っ青な画像になってしまうでしょう。

 

どちらの画像も透明層の上に不透明なもの、

つまり光の反射が存在していることで

透明層を認識できているのです。

 

ハレーションも光の反射です。

また、表面性状が複雑化することで

光が乱反射し、ハレーションが複雑化します。

 

先ほどの海辺の写真における小波や

泡立って白くなっている部分がこれに該当します。

 

透明感の表現においては、表面性状次第で

効果が増大可能であると捉えて良いでしょう。

 

●額縁効果

額縁効果も透明感の表現に欠かせない存在です。

上記の表面性状や表面付着物と併せることで

強力な効果を発揮します。

 

こちらの窓ガラスのイラストをご覧ください。


うーん?

 

透明感どころか、

そもそも窓ガラスであることさえ

認識できません。

 

 

ではこれならどうでしょう。


なんだか一気に窓ガラスには見えてきました!

でもまだ透明感がありません。

 

ダメ押しでハレーション追加!


これでようやく透明感のある

窓ガラスっぽく見えてきました。

 

このイラストでは読んで字のごとく

「額縁」ですが、先の地球儀の写真を鑑みても、

高い透明感を表現する上で

額縁効果が必須であることが分かります。

 

●対比効果

透明感の表現には対比効果も需要です。

 

光の透過する暗い部分と、

光を反射する明るい部分の境界をはっきりさせて

メリハリをつけることで、

透明感を大きく表現できます。

 

境界がぼけて移行的になってしまうと、

一気に透明感を失います。

 

実際に画像加工し、

境界線をひたすらぼかしてみましょう。

 

 


ビフォーアフターです。

 

これはこれでなんだか綺麗な気もしますが、

透明感が乏しくなった印象を受けると思います。

 

それでもまだ最低限透明感を保っているのは、

境界がぼけても額縁効果が残っているからです。

 

加工前の写真は対比効果によって、

強い透明感を得られていたことがわかります。

 

以上です。

如何でしたでしょうか。

実際に透明感溢れる写真を加工し、

透明感溢れるものにはどの様な特徴があるのかを

把握できたのではないかと思います。

 

今回はここまでです。

 

 

次回は、

『ゼロから始めるステイン講座 Ⅴ』

   透明だけど透明感がない?

モノリシックセラミックスについての考察 ③

 

に続きます。

 

 

【過去の関連ブログへのリンク】

Ⅰ. 『ゼロから始めるステイン講座 Ⅰ』  

   ~気になるステインの選び方~    

 

Ⅱ.『ゼロから始めるステイン講座 Ⅱ』

     ~内部ステインと

        外部ステインのコンセプト~

 

Ⅲ.『ゼロから始めるステイン講座 Ⅲ』

   透明だけど透明感がない?

モノリシックセラミックスについての考察 ①

 

            ライター 髙瀬 直